気づいたときには、あなたの隣には、ストーカーがいる
私も初めて気がつくなんて“ストーカーは知らずにあなたの隣にいる”
――まさか、あの人がストーカーだったなんて。
そう気づいた瞬間、背中に氷を当てられたみたいに息が詰まった。
それまでの私は、何ひとつ疑っていなかったのだから。
◆偶然は、二回目から偶然じゃない
朝の駅へ向かう細い商店街。パン屋の前を通るたびに、焼きたての匂いがふっと背中を押す。
その日も私は、イヤホンで天気予報を流しながら、信号が青になるのを待っていた。
「おはようございます」
声の主は、近所で何度か見かけた男性。年齢は三十代半ば、スーツはきちんとプレスされていて、靴もよく磨かれている。最初は、ただの挨拶だった。
二回目は、スーパーのレジ前。三回目は、駅のホーム。四回目は、帰り道の横断歩道。
――偶然は、二回目から偶然じゃない。そう、小さく胸の中で警報が鳴り始めた。
◆小さな会話が“距離”を奪っていく
最初の数回は、私も笑顔で返してしまった。「今日、冷えますね」「傘、忘れちゃって」
どうでもいい世間話。けれど、言葉を交わすたび、私の“安全な半径”が少しずつ削られていく感覚があった。
ある朝、彼は私の手元をのぞき込んで言った。
「昨日はパスタでした? トマトの香りがしてたから」
――そんなこと、どうして知ってるの? 私は笑って受け流したけれど、心臓は一拍、遅れた。
◆視線は嘘をつかない
休日、友だちとカフェで過ごしていたときのこと。窓の外に、ゆっくりと歩く影が見えた。
顔を上げると、彼がスマホを耳に当てて立ち止まり、こちらのガラスに視線を固定していた。
通話のふりなのか本当に話しているのか、見分けはつかない。ただ、瞳だけが笑っていなかった。
その日を境に、私は振り返る回数が増えた。駅のエスカレーターで、電車のドアガラスで、マンションのエントランスの監視モニターで――いつも“誰か”を探してしまう。探すというより、怯えて待っている。
◆“知っている”の積み木
彼は、ささやかな情報を積み木みたいに重ねていった。
「この道、近道ですよね」――私の通勤路を知っている。
「あのお店、よく行きます?」――行きつけのカフェを知っている。
「遅い帰宅、気をつけてくださいね」――私の帰宅時間を知っている。
一つひとつは、会話の繋ぎ言葉。けれど、積み上がった先にできあがるのは、“私の生活の地図”だった。
◆玄関で、名前を呼ばれた夜
いちばん怖かったのは、週末の夜。宅配ボックスから荷物を取って帰ろうとしたとき、背後から私の下の名前が呼ばれた。
「◯◯さん。偶然ですね」
振り返ると、そこに彼がいた。マンション名は教えたことがない。表札も出していない。どうやって、ここがわかったの?
笑っているのに、目が笑っていない。声は柔らかいのに、言葉の芯は硬い。
私は「お疲れさまです」とだけ返し、エレベーターのボタンを連打した。扉が閉まる直前、彼の靴先が一歩、近づいた。
◆“普通の人”の仮面
彼は危険人物の外見をしていない。清潔で、丁寧で、感情的に怒鳴ったりはしない。
だからこそ、周囲に相談しても「気にしすぎじゃない?」と言われてしまう。
けれど、私にとっては十分すぎるほどの脅威だった。距離を詰める速度、情報の集め方、言い訳の準備――すべてが計算されている。
私の優しさ――笑って返したこと、立ち話に応じたこと、ちょっとした近道を教えたこと――その全てが、彼にとって“招待状”になっていたのだと気づくのは、もう少し先のこと。
◆反撃ではなく、防御から
眠りが浅くなった。何度も起きて、窓と鍵を確かめ直す。
朝は早く家を出て、帰りは最寄りの駅ではなく一駅先で降りる。
遠回りの生活は、時間だけでなく心まで削っていく。
私は記録を始めた。日付、場所、時間、彼の服装、かけられた言葉。
スマホのメモに指を走らせるたび、出来事が“気のせい”ではない形に変わっていく。
怖い。でも、記録は私の盾になった。
◆相談という第一声
「こんな話、笑われないでしょうか」
電話口の向こうで、落ち着いた女性の声が言った。
「笑いませんよ。よく連絡してくださいました」
私は探偵事務所に連絡した。誰にも言えなかった重さが、言葉になった瞬間、涙に変わってこぼれた。
相談員は、私の話を遮らずに最後まで聞き、必要な対策を丁寧に説明してくれた。
行動記録の整理、防犯カメラの死角確認、帰宅動線の変更、玄関周りのセンサーライト、そして法的手続きへつながる証拠の撮り方――。
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◆見えない糸を切る
対策を始めると、不思議と“見えない糸”の輪郭が見えてくる。
どこで見られ、どこでつながれ、どこから侵入されているのか。
私の生活は、ただの毎日ではなく“監視しやすいルート”になっていたのだ。
私はルールを作った。
・帰宅ルートは一週間ごとにローテーションする。
・立ち寄る店は続けて使わない。
・エレベーター待ちのときは背を扉に向けない。
・SNSの写真は“位置情報オフ”で、投稿は時間差。
小さな面倒の積み重ねが、やがて安堵の積み重ねに変わっていく。
◆“あなたの隣”の正体
ストーカーは、暗がりの向こうから忍び寄る影だけじゃない。
朝の挨拶をする人、レジで順番を譲ってくれる人、駅のホームで視線を逸らす人。
日常の顔をした“隣人”として存在する。
私が初めて気がついたとき、彼はもう“あなたの隣”にいる距離にいた。
だからこそ、気づくタイミングが早ければ早いほどいい。
違和感は、あなたを守るためのアラームだ。
◆✦✧✦ 自分を責めない ✦✧✦
あのとき笑って返してしまったことを、私は何度も悔やんだ。
でも、悪いのは距離を踏み越えた相手であって、私の優しさではない。
優しさは、守るべきもの。だからこそ、同時に“境界線”も守ればいい。
「自分が悪かったのかも」と心が言い始めたとき、その言葉を遮ってくれる誰かに、どうか頼ってほしい。
友だちでも、家族でも、そして探偵でも。
【追記】“隣にいるかもしれない”違和感を見逃さないために
🌸 ストーカーは決して特別な存在ではなく、身近な人が境界を越えることから始まる場合が多いです。
「ただの知人」「顔見知り」「以前の恋人」──その油断が危険に変わることも。
次のような“ほんの小さな変化”が積み重なると要注意です。
- 毎日のように偶然を装って同じ場所に現れる
- こちらが話していない情報を知っている(SNSのチェック)
- 断っても連絡が止まらない
- “心配している”と繰り返し口実を作る
◆◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆◇◆
最初にできる3つの自衛行動
🌸 違和感を感じたらすぐに始められること。
①時間・ルートのランダム化:出退勤や買い物ルートを変える
②SNSの遅延投稿:「今ここにいる」と分かる情報は公開しない
③ミニ記録:日付・時刻・場所・相手の行為を一行メモで残す
小さな違和感を“可視化”することで、無視できない証拠へ変わります。
✦✧✦──────────────────────✦✧✦
“証拠”が未来を守る──記録の重要性
🌸 ストーカーは「相手が何もしてこない=受け入れている」と誤解しがち。
だからこそ、証拠の積み上げが次の一手につながります。
詳しい記録法はこちらで紹介しています →
“証拠ノート”が私を守った──ストーカー被害を可視化する記録術
◆◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆◇◆
相談という選択肢を忘れないで
🌸 不安を言葉にするだけでも心は軽くなります。
探偵への無料相談なら匿名でも可能。
「誰かに知られたくない」そんな気持ちを大切にしながら、現実的な解決の道を探せます。
あなたの隣に潜む違和感を、一人で抱え込まないでください。
◆相談先があるという安心
🌸一人で抱えると、世界はすぐに暗くなる。
でも、相談先があるだけで、夜の長さは短くなる。
あなたの隣にいるのが“脅威”だけじゃなく、“味方”にもなるように。
無料相談からでも大丈夫。声にすることから、守りは始まる。
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