意外と気がついていない女性生殖器の複雑な仕組みと働きとは?
女性生殖器の仕組みと働き・・・
外陰部の形や色は、人によって異なります。大きさや色、形の問題で悩む人が少なくありませんが、ほとんどの場合、異常というほどのことはありません。
外陰部を見てみると、複雑な構造をしていることがわかります。排泄や月経などで不潔になりやすいだけに、つねに清潔にしておく必要があります。
外陰部は、次のような期間から構成されています。
☆恥丘・・・
恥骨の上の部分で、思春期になると陰毛がはえてきます。皮下脂肪組織でできており、柔らかくふくらんでいます。陰毛のはえ方や量には個人差がありますが、一般には逆三角形にはえます。
☆大陰唇・・・
恥丘の下から肛門のすぐ上までの厚い皮膚のひだで、このあたりまで陰毛がはえます。
思春期になると急速に発達し、内側の尿道口やクリトリス、膣ロなどを保護しています。
子どものうちはピンク色ですが、年齢とともに色素沈着が起こり、一般に黒っぽい褐色に変わっていきます。汗腺や皮脂腺が多いので、特有のにおいがすることがあります。
☆小陰唇・・・
大陰唇の内側にある薄いひだで、前方はクリトリスをおおい、後方は会陰に続いていきます。弾力性があり、性的刺激を受けると充血してふくらみます。
年齡とともに発育し、色素沈着によって黒っぽい褐色をおびてきます。形や大きさには個人差があります。
「大きすぎるので奇形ではないか」と心配する人がいますが、異常ではありません。ただ人によっては、いびつでかなり黒ずんでいる場合もあります!
今この時代は婦人科形成外科で小陰唇肥大を形成する小陰唇縮小手術もあり、かなりいびつなら手術も受けることができます!
小陰唇肥大の原因・・・小陰唇の黒ずみ・・・ここをチェック!
☆クリ卜リス(陰核)・・・
小陰唇の上端にある突起です。男性のペニス(陰茎)に相当し、性的刺激によって勃起します。
大きさや形には個人差があり、あるかないかの突起から、小指の頭くらいのものまでさまざまです。ただ一つチェックしてほしいのは、クリ卜リスの真性包茎かそうでないかです!
クリ卜リス包茎は、クリ卜リスが性的興奮によりが勃起しても、クリ卜リス包皮から露出しない場合、またはクリ卜リス亀頭がクリ卜リス包皮と癒着している場合を、クリ卜リスの真性包茎と言いいます。
クリ卜リス包皮がない人はいませんので、かぶさっている包皮の量には、個人差があります。
クリ卜リス包茎かなと思われる方で臭いが強いとか、痒みがあるなどの女性は婦人科形成外科などに相談されるといいと思います。
一人で悩まず、無料カウンセリングで相談にのってもらいましょう!
☆膣前庭・・・
左右の小陰唇に囲まれた部分です。前方に外尿道口、後方に膣口が開いています。
☆外尿道ロ・・・
クリトリスと膣ロの間にある尿の出ロです。男性は尿も精子も同じ外尿道ロから出ますが、女性は尿と月経血の出口が異なります。
また、女性の場合、男性に比べて尿道が短く、膀胱から外尿道ロまで5センチにも満たないため、尿道から侵入した病原菌が膀胱まで上がっていき、膀胱炎を起こしやすくなります。
☆膣ロ・処女膜・・・
膣ロは、外尿道ロの下にある膣の入ロです。月経血の出口であり、セックスのときのべニスの挿入口です。
また、出産時には産道を通って赤ちゃんが出てくるところでもあります。
膣ロの広さは人によってさまざまですが、セックスや出産のときには、大きく広がる、弾力性と伸縮性を備えたところです。
処女膜は、膣ロにある薄い粘膜のひだです。完全に膣ロをふさいでいるわけではなく、人差し指1本が入るくらいの穴が開いている、フリルのようなものです。
伸縮性がありますが、激しい運動や夕ンポンなどの使用で裂けることがあります。また、セックスで破れても、必すしも出血するとは限りません。
☆パル卜リン腺・・・
膣ロの左右にある分泌腺です。性的に興奮すると無色の分泌液が出て、ペニスが挿入しやすくなります。
老化すると分泌液が減って、性交痛を起こすことがあります。雑菌に感染しやすく、感染するとしこりのように腫れて痛みます。
☆会陰部・・・
大陰唇と小陰唇が合流する部分(後陰唇連合)から肛門までの間の部分です。
伸縮性に富み、出産時には大きく伸びますが、充分でない場合には切開し、分娩後に縫合します。
☆膣・・・
子宮と外陰部をつなぐ7~8cmほどの管が膣です。月経血の通り道であり、セックスのときには男性のぺニスを受け入れます。
出産時には赤ちやんの通り道となるため、産道といっています。1本の筒のように見えますが、内壁は多くのひだ状の粘膜におおわれ、たがいにふれあっています。
膣は入口よりも奥のほうが広くなっており、いちばん奥の突き当たりには、子宮の入口にあたる子宮膣部があります。
膣には自浄作用があり、細菌感染などが起こりにくくなっています。これは、膣内にすみついているデーデルライン桿菌のおかげです。
デーデルライン桿菌は、膣を酸性に保ち、細菌などの外的の侵入を防いでいます。
外陰部を清潔にすることは大切ですが、ビデなどで洗浄しすぎると自浄作用を低下させてしまうので、注意が必要です。
☆子宮・・・
受精した卵子を胎児になるまで約40週間育てあげる、女性の内性器の中心的な器官です。膣に続く子宮頸部と、胎児を育てる子宮体部とに分かれます。
内部は子宮腔という空洞になっており、子宮内膜という薄いい膜におおわれています。
子宮頸部の入口を外子宮ロ、子宮体部の入口を内子宮ロといい、その間の管は子宮頸管といいます。形は洋なしにたとえられます。
ふだんは鶏卵大ですが、妊娠すると胎児の成長とともに大きくなり、出産まぎわには大人の頭以上の大きさになります。出産後は、もとの大きさに戻ります。
☆卵管・・・
子宮の左右に伸びている長さ7~15センチほどの細い管です。先端に行くほど広くなり、腹腔に向かってラッパのように開いていることから、ラッパ管と呼ばれることがあります。
ラッパの口のところは卵管采といってイソギンチャクのような形をしており、卵巣を抱き込むようになっています。
卵巣から出た卵子は卵管采からとり込まれ、卵管膨大部という比較的太いところで精子と出会うと受精卵になります。
卵管は、受精卵を子宮に運ぶ役割も果たすことから輸卵管ともいわれます。受精卵が子宮内膜に着床すると、妊娠が成立します。
ただし、卵管は狭いためトラブルが起こりやすく、受精卵が卵管膨大部に着床して子宮外妊娠をひき起こすことがあります。
☆卵巣・・・
子宮の外側に左右1個ずつあり、卵管の下に靭帯でつり下げられている、空豆大の器官です。
卵巣の外層部には、胎児のときからおよそ200万個の原始卵胞があり、思春期になるとつぎつぎに成熟卵胞になって、周期的に1個ずつ卵子が飛び出します(排卵)このうち、精子と出会えた卵子だけが受精して、やがて胎児となります。
卵巣には、卵子を生産すること以外に、ホルモンを分泌するという重要な働きがあります。
成熟した卵胞からはホルモン(エストロゲン)が、また、排卵後の卵胞(黄体)からは黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌されます。