抜毛癖(トリコチロマニア)とは
トリコチロマニアによる薄毛・脱毛の対策法と予防法
トリコチロマニアとは?
トリコチロマニア(抜毛症)は、自分の髪の毛を無意識または強迫的に引き抜いてしまう精神的な疾患の一つです。
ストレスや不安、緊張などが引き金となり、本人の意思に反して抜毛行動を繰り返してしまいます。
特に思春期の女性や子どもに多く見られますが、大人になってから発症するケースもあります。
症状の特徴と見分け方
トリコチロマニアは、円形脱毛症とは異なり、髪がまばらに抜けたり、毛の長さが不揃いだったりするのが特徴です。
無意識に手を伸ばして抜いてしまうため、本人も気づかないまま進行することもあります。
また、頭髪だけでなく、まつ毛や眉毛、陰毛などを抜く人もいます。
原因はストレス?心のSOSに気づくことが第一歩
トリコチロマニアの背景には、強いストレスや不安感がある場合が多く、「自傷行為」に近い側面も持っています。
学校・職場でのプレッシャー、人間関係の悩み、家庭内の問題などが原因になることも。
抜毛行為そのものは一時的な安心感を得る手段となるため、やめたいと思ってもなかなか止められないのが現実です。
治療法:薬だけでなく、カウンセリングがカギ
トリコチロマニアの治療では、まず精神科や心療内科での診断を受けることが重要です。
抗うつ薬や抗不安薬が処方されることもありますが、それだけでは根本的な解決にはつながりません。
認知行動療法(CBT)など、行動パターンを見直すカウンセリングが非常に有効とされています。
自分の思考や行動のクセを理解し、ストレスへの対処法を学ぶことが再発防止につながります。
セルフケアと生活改善のポイント
医療のサポートに加えて、日常生活でのセルフケアも非常に大切です。
- 抜毛のトリガーになっている時間や場所を把握する
- 手持ち無沙汰を避けるため、指を動かせる小物を持つ
- 入浴・睡眠・食事のリズムを整えて自律神経を安定させる
- スマホ・SNSなど過剰な刺激を減らす
自分の感情をノートに書き出したり、深呼吸やストレッチなども効果的です。
髪を取り戻すためにできること
抜毛が続くと、地肌が見える、髪のボリュームが減るなど、外見上の悩みも深刻になります。
しかし、頭皮のダメージが軽度であれば、適切なケアにより毛は再び生えてきます。
育毛ローションやマッサージ、栄養バランスの整った食事など、頭皮環境を整えることが回復の鍵となります。
重度の場合は皮膚科や美容クリニックでの再生治療(PRP、幹細胞治療など)も選択肢になります。
周囲の理解も重要です
抜毛症は「見た目の問題」だけではありません。周囲の人が無理解な態度を取ると、本人はさらにストレスを感じ、症状が悪化する恐れがあります。
「やめなさい」と叱るのではなく、「どうしてそうしてしまうのか」に寄り添い、安心できる環境づくりを心がけましょう。
まとめ:心と髪を守るために
トリコチロマニアは、一見「クセ」のように見えますが、深層にはストレスや心理的な問題が隠れています。
早期に気づき、正しい知識と治療を受けることで、症状の悪化を防ぐことができます。
自分の心と身体を大切にしながら、少しずつ回復への道を歩んでいきましょう。