誰にも見せたことのない“膨らんだ憂鬱”—

【誰にも見せたことがない。けれど毎日触れている“この憂鬱”】

＼小陰唇肥大と気づく前に、もう私は傷ついていた／

🌸第1章：始まりは、あの擦れる違和感から

小学生の頃。

下着の中で何かが擦れる違和感に、私は戸惑っていた。

友達とおそろいのパンツを履いても、なぜか私だけが“食い込み”を気にしていた。

「これって…普通じゃないのかな？」

そう思い始めたのは、ランドセルを背負った10歳のとき。

まだ“性器”という言葉も知らなかった。

🌷第2章：“変な形”という名の自己嫌悪

初めて自分のアソコを鏡で見た日、私は息をのんだ。

左右がちがう。黒ずんでる。何かが飛び出してる。

それが“正常”なのか“異常”なのかも分からず、

ただただ「グロい」「恥ずかしい」という感情が膨らんでいった。

私は、それを“膨らんだ憂鬱”と呼ぶようになった。🌸

🌸第3章：誰にも言えない。誰にも聞けない。

中学になって保健の授業で“外性器”の話を聞いても、

教科書に載っていたのは“理想的なイラスト”だった。

私のそれとは、全然違った。

でも、恥ずかしくて先生には聞けない。

友達にも聞けるはずがない。

母親にすら、口にできなかった。

🌷第4章：見せられない。けど、気づいてほしい。

高校生になって、彼氏ができた。

でも、いつも手をつなぐだけで限界だった。

「もし、見られたら…どう思われるんだろう」

愛されたい。でも、見せられない。

自分の形が“愛されない理由”になる気がして怖かった。🌷

🌸第5章：初体験と「なにも言わなかった彼」

20歳の誕生日に、私は初めて“その瞬間”を迎えた。

相手は優しかった。なにも言わなかった。

けど——なにも言わないことが、逆に怖かった。

「引いてる？」「気づいてる？」「でも、言わないだけ？」

心の中で不安が渦を巻いて、

私はまた、自己否定のトンネルに戻っていった。

🌷第6章：検索の先にあった“答え”と“病名”

深夜。検索欄に「女性器　大きい」「黒ずみ　性器」「アソコ　飛び出てる」

そんなワードを、恥ずかしさを押し殺して打ち込んだ。

そして、たどり着いた言葉——

「小陰唇肥大」

初めて自分の“膨らんだ憂鬱”に、名前がついた気がした。

🌸第7章：ただの“形”じゃなかった

整形外科や美容クリニックのサイトには、

「見た目改善」「黒ずみ除去」「整える手術」

そんな言葉が並んでいた。

でも、私にとっては“形”だけじゃない。

この憂鬱は、思春期の孤独であり、

自己否定の原点だった。🌼

ただ治すだけでは、終わらない。

🌷第8章：受け入れることも、選べる

最近、私は少しずつ思えるようになった。

“整える”ことは悪くない。

でも、“このままでもいい”と思えるようになるのも、一つの選択肢。

誰にも見せたことのないこの憂鬱を、

自分のペースで扱っていけばいい。

🌸おわりに：膨らんだ憂鬱は、私の一部だった

長いあいだ、「変な形」「汚い」「気持ち悪い」と思っていた自分のアソコ。

でも、その悩みがあったから、たくさんのことを知った。

——他人の目よりも、自分の声を信じること。

——検索よりも、自分の実感を大事にすること。

誰にも見せたことがないこの形は、

きっと、私の“心の形”だったんだと思う。🌸

婦人科形成ジャンル②