「ただのランチのはずが、不倫の甘いデザート付きだった──」
◆ランチと聞いて安心していた自分
「今日のお昼は友達とランチ行ってくるね」
妻がそう言って出かけるのは、よくあることだった。
休日でもない昼下がり、会社員の私は仕事で家を空けている。
平日ランチは気分転換にもなるだろう、と疑いもしなかった。
だが、まさかそのランチに“不倫デザート”までついているとは──。
私はまだ、その裏切りの味を知らなかった。
◆違和感の始まりはレシートから
ある日、妻のバッグの中に入っていたレシートを見てしまった。
「ランチコース 二名分」──そして「デザートセット」。
友達と食べたにしては、値段が高すぎる。
しかもレシートの時刻は平日の午後二時過ぎ。
ランチの時間にしては遅すぎる。
「本当に友達と行ったのか？」
疑念が心に芽生えた瞬間だった。
◆SNSの“いいね”が示す裏の顔
その数日後、妻のスマホ画面がふと目に入った。
SNSにアップされたレストランの写真。
「素敵なデザート♡」と書かれた投稿に、不自然に素早い“いいね”を押している男性がいた。
友達のアカウントではない、知らない名前。
胸騒ぎが止まらなかった。
“デザート”はただの甘味ではなく、裏切りの象徴だったのかもしれない。
◆甘い香りと苦い予感
妻がランチから帰ってくると、香水の匂いが強いことが多かった。
「ちょっとおしゃれして出かけただけよ」
そう笑う姿を見ても、心のどこかで疑いは晴れない。
昼下がりのランチにしては、あまりに華やかすぎる格好。
指先には新しいネイル、バッグは新調されたブランド物。
すべてが“不倫デート仕様”のように見えてしまった。
◆ランチの時間が“密会の時間”へ
妻は必ず、月に二度は「友達とランチ」と言って出かけた。
だが、その帰宅時間は夕方近くになることが多かった。
ランチだけにしては遅すぎる。
気づけば「ランチ」と言えば不倫相手との“昼下がりの密会”を意味していた。
「デザート」とは、甘いケーキやパフェのことではなく──
不倫という背徳の味だったのだ。
◆問い詰められないジレンマ
「本当に友達とランチだったのか？」
喉まで出かかった問いを、私は何度も飲み込んだ。
確かな証拠がなければ、妻は笑って否定するだけだ。
レシートやSNSの“いいね”程度では、不倫の証明にはならない。
ただの被害妄想と言われれば、それまでだ。
だが、心はもう限界に近づいていた。
◆探偵という選択肢
そんなとき、私は探偵に相談するという選択肢を思いついた。
昼間の行動は、夫には見えにくい。
だが探偵なら、妻が誰とランチをしているのか、ランチの後どこへ向かうのかを調べられる。
不倫相手と甘いデザートを楽しんでいる証拠も、動かぬ形で残せるのだ。
昼下がりの短い時間でも、真実は必ずそこにある。
◆甘いデザートの代償
探偵から届いた報告書には、妻が男性とランチをし、その後ホテルへ入っていく写真が並んでいた。
胸の奥が冷たくなり、吐き気すら覚えた。
「友達とのランチ」と言っていたその時間は、不倫相手との甘い密会だった。
デザートのように軽く口にした嘘が、家庭を壊す重い裏切りに変わったのだ。
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