“妻の夜勤シフトは偽装勤務”──白衣の裏に隠した不倫のカルテ

「夜勤と信じて送り出した妻。だけど白衣の裏には、別の秘密が隠されていた──」

「今日は夜勤だから遅くなるね」

その言葉を信じて、何度も見送ってきた。

病院という場所に勤務する妻。白衣に身を包み、患者のために働く姿を想像すると、誇らしい気持ちすらあった。

だけど──その白衣の裏には、別の顔が隠されていたのだ。

◆◇◆

妻は看護師として夜勤の多い病棟に勤務していた。

だからこそ「夜勤だから遅くなる」と言われても疑う理由はなかった。

だが、ある日シフト表をふと見たとき、奇妙な違和感を覚えた。

病院のシフト表と、妻が口にするシフトの内容が一致しない。

「今夜は夜勤」と言って出かけた日に、実際のシフトには彼女の名前がなかったのだ。

その瞬間、胸の奥が凍りついた。

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私は妻の行動を注意深く観察するようになった。

夜勤の日と称して出かける前、化粧がいつもより濃い。

香水の香りも、病院に行くには不釣り合いなほど甘い。

「病院で香水なんてありえない」──その時、心に警鐘が鳴った。

ある夜、妻の後をこっそり追ってみた。

行き先は病院ではなく、繁華街のホテル街だった。

白衣を持って家を出たはずの妻が、途中でスーツケースから服を取り出し、着替えていた。

その姿を見たとき、胸が張り裂けそうになった。

━━…

「夜勤」と信じていた時間が、他の男性と過ごす時間だった。

事実を目の当たりにしても、私は信じきれなかった。

だが、このままではただの疑惑に終わってしまう。

離婚や慰謝料を考えるなら、法的に通用する証拠が必要だった。

スマホを覗いても、LINEには痕跡が少ない。

彼女は徹底して証拠を隠していた。

それでも、不倫の匂いは確実に漂っている。

私はついに「探偵に相談する」決意をした。

◆◇◆

探偵に夜勤シフトの矛盾を説明した。

すると、調査員は静かに頷きながら言った。

「医療職を偽装して不倫するケースは意外に多いんです」

その言葉に背筋が冷たくなった。

数日後、探偵から届いた報告書。

そこには、妻が「夜勤」と称してホテルに入る様子が克明に記録されていた。

隣には同じ病院の医師とおぼしき男。

白衣の裏に隠されていた“もう一つのカルテ”は、不倫の記録だったのだ。

報告書の写真を見た瞬間、涙があふれた。

悲しみと怒り、そして安堵が入り混じった複雑な感情。

「やっと確かな証拠を手にした」──そう思うと、不思議と心が落ち着いたのだった。

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妻の裏切りは許せない。

けれど、家庭や子どもへの影響を考えると、冷静な判断が求められる。

感情に任せて問い詰めても、言い逃れや逆ギレで終わるだけだ。

確固たる証拠を握った今だからこそ、私には選択肢がある。

離婚、慰謝料請求、あるいは関係修復──。

夜勤という偽装の裏に潜んでいた真実は、私にとって人生を左右する分岐点になった。

そしてその分岐点に立つ勇気をくれたのは、探偵の存在だったのだ。

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